操作方法

起動

Linuxの場合

作成した実行可能ファイル fermisurfer にパスが通っている状態で

$ fermisurfer mgb2_vfz.frmsf

とコマンド, スペース, 入力ファイル名とタイプします. (サンプルファイルの中身はMgB2のFermi速度の z 方向成分です. )

Windowsの場合

入力ファイル(この場合は mgb2_vfz.frmsf)を右クリックし, メニューから「プログラムから開く」を選択し, 実行ファイルを fermisurfer.exe に設定してください.

このあとはLinux, Windows共通です. fermisurfer が起動すると, まずファイルから読み取った情報が出力されます.

########################################
##                                    ##
##  Welocome to FermiSurfer ver. 1.8  ##
##                                    ##
########################################

  Number of threads : 4

  Initialize variables ...


  ##  Brillouin zone informations  ###########

    k point grid : 40 40 36
    k point grid starts from Gamma.
    # of bands : 3
    bvec 1 : 1.000000 0.577350 -0.000000
    bvec 2 : 0.000000 1.154701 0.000000
    bvec 3 : 0.000000 -0.000000 0.872065

  ##  Max. and Min. of each bands  #######################

    Band   Eig_Min.      Eig_Max      Mat_Min      Mat_Max
    1     -0.428153     0.056262     -24.048639     24.048639 (1)
    2     -0.289572     0.121181     -23.320309     23.320309 (1)
    3     -0.133566     0.497620     -43.651634     43.651634 (1)

  ##  First Brillouin zone mode  #######

    band   # of patchs
    1       8824  (2)
    2       29354 (2)
    3       28293 (2)


  ##  Full color scale mode #############

    Max. value : 22.283419  (3)
    Min. value : -22.251053 (3)

    band   # of nodeline
    1       632  (4)
    2       1524 (4)
    3       2268 (4)
    band   # of Fermi-line
    1       100
    2       736
    3       0

  ##  How to handle  ###################

              mouse drag : Rotate objects
              mousewheel : Resize objects
               cursorkey : Move objects
      mouse right button : Menu
  1. それぞれのバンドにおけるエネルギーと物理量の最小値・最大値.
  2. それぞれのバンドにおけるパッチ(Fermi面を構成する平面)の数.
  3. 物理量のFermi面における最大値と最小値. この数字がカラーバーの最大・最小に対応します. 下の例では一番青いところが-22.283419, 一番赤いところが22.283419となります. (1)で表示されているのはBrillouin領域全体のものです.
  4. それぞれのバンドにおけるnode line (後述)の本数.

次に操作方法が出力され, Fermi面が描画されます(図 2 ).

_images/start.png

Fermisurferを起動した直後の画面.

  • マウスのドラッグによる回転が出来ます.
  • マウスのホイールを使っての拡大・縮小が出来ます.
  • ウィンドウの大きさを変えることもできます.
  • カーソルキーを使ってウィンドウ内で上下左右に図を動かせます.
  • ウィンドウ内でマウスの右クリックをするとメニューが表示されます.

次から右クリックで表示されるメニューを説明します.

Background color

背景色を黒または白に切り替えます. Brillouin Zoneの枠線も白/黒と切り替わります (図 3).

_images/background.png

“Background color”メニューで背景色を白/黒に切り替える.

Band

バンド毎の表示on/offを切り替えます(図 4).

_images/band.png

“Band” メニューで3番目のバンドの表示/非表示を切り替える.

Brillouin zone

描画範囲をFirst Brillouin Zone/Primitive Brillouin Zoneと 切り替える事が出来ます (図 5).

Fisrst Brillouin Zone
{\rm \Gamma} 点から一番近いBragg面で囲まれた領域
Primitive Brillouine Zone
逆格子ベクトルを辺とする平行6面体領域
_images/brillouinzone.png

“Brillouin zone” メニューでBrillouin領域のとり方を変更する.

Color bar

カラーバーの表示/非表示を切り替えます(図 6).

_images/colorbar.png

“Color bar On/Off” メニューでカラーバーの表示/非表示を切り替える.

Color scale mode

Fermi面の色表示のさせ方を変更します(図 7).

Auto(デフォルト)
カラースケールの範囲をFermi面上での物理量の最小値から最大値までとします.
Manual
カラースケールの範囲を標準入力から設定します.
Unicolor
物理量に関係なく, 各バンド毎に単色でFermi面を塗ります.
Periodic
周期的な量のプロットに用います. 物理量が 0 \rightarrow \pi/3 \rightarrow 2\pi/3 \rightarrow \pi \rightarrow 4\pi/3 \rightarrow 5\pi/3 \rightarrow 2\pi と変化するに連れて 色が赤 \rightarrow\rightarrow\rightarrow シアン \rightarrow\rightarrow マゼンタ \rightarrow 赤と変わります.
Fermi velocity (Auto)
エネルギーの差分からFermi速度 {\bf v}_{\rm F} = \nabla_k \varepsilon_k を計算し, その絶対値をカラープロットする. カラースケールの範囲はFermi面上での |{\bf v}_{\rm F}| の最小値から最大値までとする.
Fermi velocity (Manual)
エネルギーの差分からFermi速度 {\bf v}_{\rm F} = \nabla_k \varepsilon_k を計算し, その絶対値をカラープロットする. カラースケールの範囲は標準入力から設定する.
Gray scale (Manual), Gray scale (Auto)
黒色の濃淡でプロットする.
_images/colorscale.png

“Color scale mode” メニュー.

Equator

ある {\bf k} に対して, {\bf v}_{\rm F} \cdot {\bf k} = 0 となる線を表示します (図 8).

Equator
Equatorの表示・非表示を切り替えます.
Modify equator

{\bf k} を指定します. コンソールの

New Miller index :

の後に {\bf k} ベクトル(フラクショナル座標)を入力してください.

_images/equator.png

“Equator”メニューで Fermi面の赤道(Equator)を表示する.

Interpolation

補間により図の曲面を滑らかにします (図 9). コンソールの

New interpolation ratio :

の後に分点数を入力してください. ただし分点数を増やすと描画にかかる時間も増えます.

_images/interpolate.png

“Interpolate”メニューで 分点数を1から4に変える.

Lighting

光を当てる面を変更します (図 10).

Both side
Fermi面の表裏両面に光を当てます.
Unoccupied side
非占有領域側のみに光を当てます.
Occupied side
占有領域側のみに光を当てます.
_images/light.png

“Lighting”メニューで光を当てるFermi面を変更する.

Line width

ブリルアンゾーンの境界やノーダルライン等の線幅を変更します.

Mouse Drag

マウスの左ボタンドラッグを行った時の動作を変更します.

Rotate(デフォルト)
ドラッグをした方向に図形を回転させます.
Scale
上方にドラッグすると図形を拡大, 下方にドラッグすると図形を縮小します.
Translate
ドラッグした方向に図形を動かします.

Nodal line

物理量が0となるところに引く線(ノーダルライン)のOn/Offを切り替えます(図 11).

_images/nodeline.png

“Nodal line” メニューでnodal lineの表示/非表示を切り替える.

Section

Brillouin領域を任意の断面で切り取り, 2次元のFermi面(線)を描画します (図 12).

Section
断面の表示・非表示を切り替えます.
Modify Section

断面を指定します. コンソールの

New Miller index :

の後に法線ベクトル(フラクショナル座標)を入力してください. 断面は法線ベクトルの先端を通ります.

Modify Section (across Gamma)

断面を指定します. コンソールの

New Miller index :

の後に法線ベクトル(フラクショナル座標)を入力してください. 断面は \Gamma 点を通ります.

_images/section.png

“Section” メニューでFermi面の断面を表示する.

Shift Fermi energy

Fermiエネルギー(デフォルトでは0)を任意の値にずらします. このメニューを選択すると次のようにインプット中の最小のエネルギー, 最大のエネルギー, 現在のFermiエネルギーが標準出力として表示されます.

Min  Max  E_F
-0.428153 0.497620 0.000000
Fermi energy shift :

次に新しいFermiエネルギーを入力すると, Fermi面が再描画されます (図 13).

_images/shift.png

“Shift Fermi energy”メニューで Fermi エネルギーを0.0 Ryから0.1 Ryに変える.

Stereogram

裸眼立体視用の図の表示/非表示を切り替えます(図 14).

None (デフォルト)
立体視を無効にします.
Parallel
平行法用の図を表示します.
Cross
交差法用の図を表示します.
_images/stereogram.png

“Stereogram” メニューで立体視用画像を表示する.

Tetrahedron

四面体の切り方を変えます(デフォルトは tetra # 1). 図が綺麗になる可能性がありますが, 多くの場合は逆に図がギザギザして汚くなるようです.

View point

視点を変更します.

Scale
図形のサイズを指定します.
Position
図形の上下位置を指定します.
Rotation
x,y,z軸周りの回転角を指定します.回転操作はz軸-y軸-x軸の順で行われます

それぞれのメニューを選択すると, はじめに現在の値が表示され, その後変更後の値を入れるプロンプトが現れます(図 15).

_images/setview.png

“View point”メニューで 視点を変更する.

画像の保存方法

fermisurfer には画像をファイル出力する機能はありません. お使いのPCにあった方法でスクリーンショットを取得して (Printscreen キーを押すなど) ペイントブラシやgimpで編集して画像を作成してください.