量子格子模型シミュレーションのための新しいアルゴリズムの開発

物性物理学の分野においても他の理工学系の分野と同様, 計算科学的手法の重要性は, 年々増している. 量子スピン系, 電子系などの量子格子模型の理論的研究においては, 近年, 量子モンテカルロ法などの新しいアルゴリズムが開発され, さらには超並列スーパーコンピュータの登場による計算機資源の飛躍的増加もともなって, 計算機シミュレーションは数々の重要な発見・発展に貢献している. 我々は, 量子モンテカルロ法における現在最も強力な手法の一つである「連続虚時間ループアルゴリズム」を任意のスピンの大きさを持つ系に拡張を行った. 現在, 磁場がある場合などの対称性の低い系への拡張や, 絶対零度におけるクラスターアルゴリズムの開発などを行っている.