マルコフ連鎖モンテカルロ法における局所遷移行列の設計
マルコフ連鎖モンテカルロ法は高次元系における物理量を計算する手法として古くから用いられているが,次の状態への遷移確率の選び方によって物理量の推定誤差が大きく変わる。最近では棄却率最小化や詳細つりあい破れといった方法が提案されている。我々は、物理量の自己相関を陽に減らす新しい局所更新法を提案した。この方法には、物理量の推定誤差が小さくなる理由を定性的に説明できるという利点がある。また、従来の方法に比べて物理量の推定誤差が実際に小さくなることを実際のモンテカルロシミュレーションにより確認した。