量子ダイマー模型における非局所更新モンテカルロ法

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量子ダイマー模型は1988年にRokhsarとKivelsonによりフラストレートした磁性体の低エネルギー有効模型として提案された。量子ダイマー模型のハミルトニアンには負符号問題はないが、ダイマーの配置に強い幾何学的な制限があるため、モンテカルロシミュレーションは非常に困難であった。近年、2次元量子ダイマー模型に対して、Stochastic Series Expansion法に基づく新しい量子モンテカルロ法が提案されたが、さらに、新しいデータ構造を取り入れることで、より効率よく有限温度のシミュレーションを行うことが可能となった。この新しい非局所更新モンテカルロ法と有限サイズスケーリングを組み合わせることで、2次元量子ダイマー模型の有限温度相図を精密に決定した。