テンソルネットワーク法パッケージTeNeS
量子多体系の状態を表すベクトル(状態ベクトル)の次元は、粒子数に対して指数関数的に増大するため、大きな量子多体系を計算機を用いて解析するには、状態ベクトルの情報を効率的を圧縮し、精度良く近似することが有用である。そのような情報圧縮法の一つであるテンソルネットワーク法は、特に相互作用にフラストレーションの存在する量子スピン系の解析に対して強力な方法である一方、これまでに、一般的な模型に簡単に適用できるシミュレーションソフトウェアは存在しなかった。我々は、任意の2次元格子上のスピン模型に対してテンソルネットワーク法を適用して基底状態を計算できるソルバー「TeNeS」を開発・公開した。また、量子モンテカルロ法など量子格子模型のための汎用シミュレーションソフトウェアALPSや並列厳密対角化パッケージHΦなどの公開・開発も行っている