テンソルネットワークくりこみ群法の高速数値計算手法開発

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テンソルネットワークを用いた実空間くりこみ群法は、多体スピン系に対する数値計算手法として近年広く用いられてきている。テンソルくりこみ群法では大規模な古典系/量子系の物理量を効率的に計算することができる。しかしながら、Tensor Renormalization Group (TRG)やHigher-Order Tensor Renormalization Group (HOTRG)といった既存の手法では、高次元になるほど計算量が膨大になってしまうという問題点があった。この問題を解決するために、既存手法に比べて計算量が低い手法や、同じ計算時間における精度の高い複数の手法を開発してきた。例えば、Anisotropic Tensor Renormalization Group (ATRG)では、三次元量子系など高次元系における計算量を劇的に減らすことができる。さらに、ボンド重みを取り入れたテンソルくりこみ群法やGraph-independent loop reduction methodsといった手法との組み合わせにより、ATRGの精度のさらなる向上を進めている。

  • Daiki Adachi, Tsuyoshi Okubo, Synge Todo, Anisotropic Tensor Renormalization Group, preprint: arXiv:1906.02007.