多変数変分モンテカルロ法mVMCの高度化

多変数変分モンテカルロ法mVMCは、日本の物性理論コミュニティーにおいて広く使われ、これまで、強相関電子系の基底状態状態における様々な性質(磁性、超伝導など)を解き明かしてきた。しかし、mVMCにおける演算のホットスポットは、反対称逆行列 X-1のRank-1更新であるため、現代のプロセッサーにおいては、性能を発揮することは難しい。「富岳」の新プロセッサA64FXにおいてmVMCの性能を充分に発揮するため、我々は、Woodbury公式を使って更新式を書き直し、Rank-1更新を Rank-k更新に置き換えた。これにより「富岳」における mVMC の性能を大幅に向上することができた

  • RuQing G. Xu, Tsuyoshi Okubo, Synge Todo, Masatoshi Imada, Optimized Implementation for Calculation and Fast-Update of Pfaffians Installed to the Open-Source Fermionic Variational Solver mVMC, preprint: arXiv:2105.13098.